電源回路を勉強したい。
オススメ参考書ってどれ?
こんな要望に応えます。
電源回路初心者の中には『どうやって勉強を進めていくべきか悩んでいる』という方も多いですよね。
今回紹介する本を読めば、電源回路について体系的に学ぶことができ、順調に理解できるようになります。
そこで今回は、『私自身が早く読むべきだったと感じた10冊』を紹介していきます。
・スイッチング電源[2]要素技術のマスター
・電源回路の「しくみ」と「基本」
・電源回路設計 成功のかぎ
・電源IC応用ハンドブック
・デジタル電源の基礎と設計法
・共振形スイッチングコンバータの基礎
・スイッチング電源[1]AC入力1次側の設計
・スイッチング電源のコイル/トランス設計
・マンガでわかる直流安定化電源
DC/DCコンバータの基礎から応用まで
難易度 | |
おすすめ度 | |
価格(参考) | 3,300円 |
数多くある電源技術の中でも、『DC/DCコンバータに特化した参考書』です。
DC/DCコンバータの基本である「チョッパ回路の原理」から、丁寧な解説があります。
第1章 はじめに
第2章 DC/DCコンバータの基礎
第3章 変圧器と励磁電流
第4章 DC/DCコンバータの主要な回路方式
第5章 ソフトスイッチング技術
第6章 高力率コンバータへの応用
第7章 モータ制御への応用
DCDCコンバータは、スイッチオン/オフで電流経路が異なり、それぞれの動作モードにおける素子の振る舞いを正確に理解する必要があります。
この本には、『半導体の寄生要素なども考慮した正確な動作理論の解説がある』ため、基本原理を理解したい方に非常にオススメです。
理論を正確に理解できれば、自分で電源回路を設計できるようになります。
スイッチング電源[2]要素技術のマスター
難易度 | |
おすすめ度 | |
価格(参考) | 3,080円 |
『スイッチング電源設計における要素技術』について解説した1冊です。
「ノイズ対策用のスナバ回路」についても、解説があります。
スイッチング電源 回路技術のあらまし
スイッチング電源の負帰還技術
スイッチング電源用ICの活用技術
パワー・スイッチング素子のあらまし
スイッチング電源のためのMOSFET活用
MOSFETによる同期整流回路の設計
ノイズ対策に役立つスナバ回路の設計
『実践的なノウハウ』も数多く解説されており、電源回路設計で問題が発生した際に、この本が有益であることを実感するでしょう。
スイッチング電源の要素技術を学びたい方に、特にオススメです。
電源回路の「しくみ」と「基本」
難易度 | |
おすすめ度 | |
価格(参考) | 2,948円 |
『回路シミュレータを使用して、電源回路設計を学べる本』です。
付属CDにシミュレータ「TINA9」とサンプル回路が収録されています。
TINAとサンプル回路の動かし方
トランスと整流回路だけの電源
ツェナーダイオードによる安定化回路
制御の基本
リニアレギュレータ
スイッチング方式DC-DCコンバータ
絶縁電源はなぜ必要か
絶縁型電源の回路設計
スイッチング電源
電源に使用される半導体部品の知識
実際に手を動かすため、読むだけでは分からないような箇所にも気付けます。
他の参考書では解説がない「細かい内容」もしっかりとした解説がある点が非常に良いです。
実際に手を動かして電源回路を学びたい方にオススメとなります。
電源回路設計 成功のかぎ
難易度 | |
おすすめ度 | |
価格(参考) | 3,300円 |
『DCDC電源設計の実践的なノウハウ』をまとめた1冊です。
理論の解説後、「具体的な数値」を用いた実際の回路設計例が載っているため、とても参考になります。
電源回路設計の概要
シャント・レギュレータ
3端子レギュレータ
LDOレギュレータ
スイッチング・レギュレータの基礎
降圧型コンバータの基本回路
スイッチング電源の回路形式
降圧型コンバータの実用回路
昇圧型コンバータの実用設計
本の内容から分かる通り、『様々なDCDC電源の実用設計』についてまとめられています。
各種DCDC電源の設計ノウハウを学びたい方にオススメです。
電源IC応用ハンドブック
難易度 | |
おすすめ度 | |
価格(参考) | 2,668円 |
忙しい回路設計エンジニアに向けた『電源回路設計の実用書』です。
ICの使い方だけでなく、「電源回路の動作・仕組み」も記載されています。
これだけは押さえておきたい電源回路
12Vのバス電源から5Vや3.3Vを作る降圧型DC-DCコンバータ
3.3Vから少しだけ電圧が低い2.5Vを作るリニア・レギュレータ
3.3Vから1V以上電圧が低い1.8Vを作る同期整流型DC-DCコンバータ
12Vのバス電源から24Vを作る昇圧型DC-DCコンバータ
12Vのバス電源から±5Vや±15Vを作るアナログ回路用DC-DCコンバータ
AC100Vからバス用のDC12Vを作るスイッチング電源
コイルを使わない安価・省スペースのDC-DCコンバータ
2次電池充電用DC-DCコンバータの設計
リニア・レギュレータを使った電源回路と注意点
スイッチング・レギュレータを使った電源回路
『実際に電源ICを使用する側』の立場から選定方法などが解説されているため、非常に分かりやすいです。
車載製品の回路設計者である私自身、この本が大変参考になりました。
電源回路に時間を割けない回路設計者にぜひ読んで欲しい1冊です。
デジタル電源の基礎と設計法
難易度 | |
おすすめ度 | |
価格(参考) | 4,400円 |
『電源の評価指標(一巡伝達関数・出力インピーダンス・入出力電圧特性)』について詳しい解説がある参考書です。
電源の評価指数を解説した本は少ないため、貴重な1冊となります。
DCDCコンバータの回路方式
パワーステージの設計
状態平均化法とコンバータ解析
制御機構と伝達関数
スイッチング電源の評価指標
スイッチング電源のデジタル制御
PFCコンバータの基礎と制御系設計
デジタル制御の応用例
アナログ・デジタルの制御系設計手法についても解説があるため、『電源制御について学びたい方にもオススメ』です。
デジタル電源について学ぶなら、この本が最適と言えます。
共振形スイッチングコンバータの基礎
難易度 | |
おすすめ度 | |
価格(参考) | 3,520円 |
『共振形コンバータについての基礎知識』を体系的に解説した1冊です。
詳細な理論式がしっかりと記載されているため、実際の設計でトラブルが起きた時に大変参考になります。
第Ⅰ部 共振形コンバータとその代表的な回路方式
共振形コンバータが開発された背景
共振スイッチと共振形コンバータ
絶縁形共振コンバータ
第Ⅱ部 電流共振形コンバータの基礎
動作原理
無負荷状態の動作
負荷を引いた状態の動作
静特性
動特性
出力電圧の過渡応答
周波数特性
設計に際して注意すべき点
『ノイズが少なく、効率も高い共振形コンバータ』は様々な電子機器に利用されています。
今後も電源回路として、幅広く利用されていくでしょう。
共振形コンバータの基礎を学びたい方は、ぜひこの本を利用してみて下さい。
スイッチング電源[1]AC入力1次側の設計
難易度 | |
おすすめ度 | |
価格(参考) | 2,530円 |
『安全保持のヒューズ/ノイズ対策のライン・フィルタ設計/整流・平滑回路設計』について,初心者向けにまとめた1冊です。
ヒューズ・ライン・フィルタは、他の参考書ではあまり解説がないため、貴重な1冊となります。
第1章 エレクトロニクス機器の電源技術考
第2章 1次側の安全設計…ヒューズとサージ・アブソーバ
第3章 ノイズEMC対策とライン・フィルタの設計
第4章 AC入力1次側 整流・平滑回路の設計
第5章 突入電流制限回路の設計
以上の内容を、『実機を交えて解説している』ため、とても理解しやすいです。
ヒューズ・フィルタ等の1次側の技術については、この本が最もオススメです。
スイッチング電源のコイル/トランス設計
難易度 | |
おすすめ度 | |
価格(参考) | 3,080円 |
非常に珍しい『トランス設計に特化した技術書』です。
スイッチング電源の参考書は、非常に多くの種類がありますが、コイルに特化したものは希少となっています。
チョーク・コイルとトランスのあらまし
コイル/トランスのコア材を徹底理解する
コイル・トランスの製作…巻き線の実践ノウハウ
スイッチング電源用チョーク・コイルの設計
スイッチング電源用トランス設計のあらまし
スイッチング電源用トランスの設計
ノイズ・フィルタのコイル設計
コイル/トランスの測定
実際に販売されている材料(コア・銅線など)をもとに、『具体的な数値を用いた設計例』が紹介されています。
スイッチング電源のトランス設計を学びたい方には、この本が最もオススメです。
マンガでわかる直流安定化電源
難易度 | |
おすすめ度 | |
価格(参考) | 1,650円 |
『直流安定化電源の仕組み・使い方』をマンガにて解説した1冊です。
数式を一切使用せずに解説してあるため、初心者でも理解しやすくなっています。
第1話 直流安定化電源って何?
第2話 問題は取説以前から始まっている
第3話 2つの回路方式(ドロッパとスイッチング)1
第4話 2つの回路方式(ドロッパとスイッチング)2
第5話 謎の直流電源登場(ワイドレンジ方式=電力型電源)
第6話 ワイドレンジ方式の利点とその開発背景
第7話 直流電源にあって電池にないもの(定電流)
第8話 定電流はなぜ必要か
第9話 活用シーンを広げる通信インターフェース
第10話 俺の後輩が可愛いのはたぶん何かの間違いだ
マンガ自体も非常に面白いため、スラスラと読み進められます。
直流安定化電源を使用予定の方は、事前にこの本を読むことをオススメします。
電源回路でオススメの本 10選まとめ
今回は、『電源回路でオススメの10冊』をご紹介しました。
・ スイッチング電源[2]要素技術のマスター
・ 電源回路の「しくみ」と「基本」
・ 電源回路設計-成功のかぎ
・電源IC応用ハンドブック
・ デジタル電源の基礎と設計法
・ 共振形スイッチングコンバータの基礎
・ スイッチング電源-AC入力1次側の設計
・ スイッチング電源のコイル/トランス設計
・ マンガでわかる直流安定化電源
いかがでしたでしょうか。
電源回路設計は非常に難しく、心が折れるような出来事も沢山あります。
今回紹介した本を読めば、勉強のスタートダッシュが上手くいき 、順調に電源回路設計をマスター可能です。
当ブログでは電子回路の関連記事を多数扱っています。
興味がある方は、他の記事もぜひ読んでみて下さい。
回路設計エンジニア向けのオススメ本
『回路設計エンジニア向けのオススメ本』を、下記で紹介しています。
現役エンジニアである、私自身が早く読めばよかったと思う本ばかりです。
回路設計エンジニアの方は、ぜひご覧ください。
・ 【2024最新版】電子回路でオススメの本 7選を紹介します!
・ 【2024最新版】LTspiceのオススメ本 10選を紹介します!
・ 【2024最新版】プリント基板設計でオススメの本 4選を紹介します!
・ 【2024最新版】半導体について学べるオススメの本 8選を紹介します!
・ 【2024最新版】論理回路のオススメ参考書 3選を紹介します!
・ 【2024最新版】デジタル回路のオススメ参考書 6選を紹介します!
・ 【2024最新版】FPGAのオススメ入門書 5選を紹介します!
・ 【2024最新版】センサー技術を学べるおすすめ本 3選を紹介します!
・ 【2024最新版】電磁気学のオススメ参考書 11選を紹介します!
\電子回路の関連記事はこちらから!/