MOSFETを使用した定電圧回路の設計方法

【MOSFET使用】定電圧回路の設計方法について解説します!

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困っている人

MOSFETを使用した定電圧回路があるらしい。
どうやって設計するの?

こんな疑問を解消します。

『MOSFETを使用した定電圧回路』は難しいため、設計方法が分からない方も多いですよね。

そこで今回は、『MOSFETを使用した定電圧回路の設計方法』について丁寧に解説します!
 

本記事の内容・ 定電圧電源の定番回路図
・ PMOS1の選定
・ NMOS1の役割
・ R2の役割
・ D1&D2の役割
・ R1の役割
・ R4&R5の役割
・ NMOS2の役割
・ R3の役割
・ まとめ
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MOSFETを使用した定電圧電源の定番回路図

MOSFETを使用した定電圧回路の定番回路図
上記の『MOSFETを使用した定電圧電源の定番回路図』について、各素子の選定をしていきましょう。

『動作原理&各素子の役割』については、以下の記事にて紹介しています。

関連記事 【MOSFET使用】定電圧回路の動作原理について解説します!

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もっぷ

動作原理がイメージできないと設計は難しいので、動作原理の理解も必要です。

 

PMOS1の選定

MOSFETを使用した定電圧回路の定番回路図(PMOS1選定)
まずは、PMOS1を選定しましょう。

PMOS1の選定条件は、下記となります。

【PMOS1の選定条件】

・伝達特性(Id-Vgs特性)図において、Vds = 10V (= Vin – Vout = 10V – 5V ) の特性を使用可能

・伝達特性(Id-Vgs特性)図において、Id = 30mA (=Iout)を流せる

 
上記条件を満たす『ROHM製のQS8M51』を今回は使ってみることにしましょう。
 
PMOS1の伝達特性図
 
伝達特性図を見ると、下記のことが分かります。

【伝達特性図から分かること】

PNMO1は『Ta = 25℃、Vds = 10V、Vgs = 1.9Vにおいて、Id = 30mA』となる。

 

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もっぷ

Vds:10Vとなれば、Vout = 5V (= Vin – Vds = 15V – 10V)に変換できますね。

 

NMOS1の選定

MOSFETを使用した定電圧回路の定番回路図(NMOS1選定)
次に、NMOS1を選定しましょう。

NMOS1の選定条件は、下記となります。

【NMOS1の選定条件】

・伝達特性(Id-Vgs特性)図において、Vgs = 4V以下 (NMOS1&NMOS2ゲート電圧はVout = 5VのR4&R5分圧とするため) の特性を使用可能

・伝達特性(Id-Vgs特性)図において、Vds = 13V以下 (R2両端には1.9Vの電位差を発生させるため) の特性を使用可能

 
 
上記条件を満たす『ROHM製のRSJ400N10』を今回は使ってみることにしましょう。
 
NMOS1の伝達特性図
 
伝達特性図を見ると、下記のことが分かります。

【伝達特性図から分かること】

NNMO1は『Ta = 25℃、Vds = 10V、Vgs = 1.6Vにおいて、Id = 10mA』となる。

 

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もっぷ

これでR2通電電流(= Id)が分かったので、R2の抵抗値を決めることができますね。

 

R2の選定

MOSFETを使用した定電圧回路の定番回路図(R2選定)
次に、R2を選定しましょう。

R2の選定条件は、下記となります。

【R2の選定条件】

・R2両端において、1.9Vの電位差を発生させられる抵抗値

 
上記条件を満たす抵抗値は、『190Ω(= 1.9V / 10mA)』ですね。

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もっぷ

R2の抵抗値は簡単に求められました。

 

D1&D2の選定

MOSFETを使用した定電圧回路の定番回路図(D1&D2選定)
次に、D1&D2を選定しましょう。

D1&D2の選定条件は、下記となります。

【D1&D2の選定条件】

・2 × Vf = 4V以下 (NMOS1&NMOS2ゲート電圧はVout = 5VのR4&R5分圧とするため)

 
上記条件を満たす『ROHM製のRFU02VS8S』を今回は使ってみることにしましょう。
 
D1&D2のIf-Vf特性図
 
If-Vf特性図を見ると、下記のことが分かります。

【If-Vf特性図から分かること】

NNMO1は『Tj = 25℃、If = 40mAにおいて、Vf = 1.4V』となる。

 

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もっぷ

これでD1&D2に40mA流せば、NMOS1のゲート電位を2.8V(= 2 × Vf)に固定できますね。

 

R1の選定

MOSFETを使用した定電圧回路の定番回路図(R1選定)
次に、R1を選定しましょう。

R1の選定条件は、下記となります。

【R1の選定条件】

・D1&D2に40mAを流すことができる抵抗値

 
上記条件を満たす抵抗値は、『305Ω(= (Vin – 2 × Vf) / 40mA = (15V – 2 × 1.4V) / 40mA)』ですね。

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もっぷ

D1&D2に一定の電流を流すために、R1があるのです。

 

R4&R5の選定

MOSFETを使用した定電圧回路の定番回路図(R4&R5選定)
次に、R4&R5を選定しましょう。

R4&R5の選定条件は、下記となります。

【R4&R5の選定条件】

・NMOS2ゲート電圧が2.8V(= NMOS1ゲート電圧)となる

・R4&R5の通電電流が0.6mA(= 30mA / 50)以下となる ※負荷電流に影響ないくらいにしておくべき

 
上記条件を満たす抵抗値は『R4 = 4.4kΩ、R5 = 5.6kΩ(分圧比= 2.8 / 5.0 = R5 /(R4 + R5))』です。

※R4&R5の通電電流 = 0.5mA(= Vout / (R4 + R5) = 5V /10kΩ)

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もっぷ

R4&R5に大きな電流が流れると、負荷に十分な電流が流せなくなってしまいます。

 

NMOS2の選定

MOSFETを使用した定電圧回路の定番回路図(NMOS1選定)
次に、NMOS2を選定しましょう。

NMOS2の選定条件は、下記となります。

【NMOS2の選定条件】

・NMOS1と同じ素子

 

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もっぷ

差動増幅回路を構成するための素子であるため、NMOS1と同じ素子を置いて下さい。

 

R3の選定

MOSFETを使用した定電圧回路の定番回路図(R3)
次に、R3を選定しましょう。

R3の選定条件は、下記となります。

【R3の選定条件】

・R2両端において、1.2V(= NMOS1ゲート電位 – NMOS1ゲートソース電圧 = 2.8V – 1.6V)の電位差を発生させられる抵抗値

 
まずは、NMOS1によって10mA流れることは分かっているので、NMOS2によって何mA流れるか求める必要があります。

しかし、NMOS2の特性図を見ても使用できるデータ(Vgs = 1.6V)はありませんね。
 
NMOS2のId-Vds特性図
 

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もっぷ

こういう場合、私はLTspiceを使ってどれくらい電流が流れるかチェックします。
LTspiceを用いると4mA流れました。

 
以上を踏まえると、R3の抵抗値は85.7Ω(= 1.2V / (10mA + 4mA))となります。

これで全ての素子を選定できました。
 

LTspiceで設計通りに動作するか確認

MOSFETを使用した定電圧回路の定番回路図(LTspice)
LTspiceで回路図を作り、電圧&電流を確認しましょう。

以下に、『Vin/Vout/負荷電流』を示します。
 
MOSFETを使用した定電圧回路の電圧&電流波形(LTspice)
 

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もっぷ

設計通り、回路が動作していることが分かりますね。

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『MOSFETを使用した定電圧回路の設計方法』まとめ

まとめ
いかがでしたでしょうか。

『MOSFETを使用した定電圧回路』は使用例が増加しています。

『MOSFETを使用した定電圧回路』の設計方法をしっかりと理解しましょう。

この記事が、皆様のお役に立てば幸いです。

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