
プリント基板を勉強していく中で「プリプレグ」というワードをよく耳にする。
どんな役割なんだろう?
こんな疑問を解消します。
プリプレグ(PP)は、『4層以上の多層基板に使用される絶縁材料』です。
近年、プリント基板は『6層』や『8層』をはじめとして多層化しているため、電子回路設計者にとって『プリプレグ』は必須の知識となります。
そこで今回は、プリプレグの『役割』について解説していきます!
・ プリプレグの役割
・ 電源バッテリ外れの原因
・ ロードダンプ対策
・ まとめ
プリプレグとは
図のように、プリプレグは『層間に挟み込まれている絶縁体』の役割を担う樹脂シートです。

ちなみに、層とは『銅箔部分』を指します。
『4層以上の多層基板』にだけ使用されるため、『片面基板』や『両面基板』にはありません。
プリプレグの役割
プリプレグの役割は、『接着剤』と『絶縁層』の2つです。
【プリプレグの役割】
接着剤:内層の銅箔・プリプレグ・外層の銅箔を密着させる
絶縁層:層間を絶縁させる
それぞれの役割について解説していきます。
接着剤
プリプレグは、ガラス布に樹脂(主にエポキシ)を含浸させて半硬化状態(Bステージ)まで硬化させた樹脂シートです。
そのため、120℃以上に加熱すると樹脂が溶けて銅箔と密着し、さらに過熱して170℃以上になると硬化します。

このようにして、積層していく際、内層の銅箔・プリプレグ・外層の銅箔を接着させる役割があります。
絶縁層
プリプレグは、エポキシ樹脂のような電気絶縁性をもつ素材でできているため、層間を絶縁します。
プリプレグを層間に挟み込むことにより、各層のパターンがそれぞれに影響しなくなります。

FR-4(Flame Retardant Type 4)のような『ガラスエポキシ樹脂』が主に使われています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
電子回路のAW設計・発注を行う方にとって『プリプレグ』は必須の知識です。
プリプレグの『役割』についてしっかりと理解しましょう。
この記事が、皆様のお役に立てば幸いです。
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