プリント基板を勉強していく中で「プリプレグ」というワードをよく耳にする。
どんな役割なんだろう?
こんな疑問を解消します。
プリプレグ(PP)は、『4層以上の多層基板に使用される絶縁材料』です。
近年、プリント基板は6層や8層など多層化しているため、電子回路設計者にとってプリプレグは必須の知識となります。
そこで今回は、『プリプレグの役割』について解説していきます!
・ プリプレグの役割
・ プリプレグの関連知識
・ まとめ
★【2023最新版】回路設計の年収は?現役エンジニアが解説します!
困っている人 回路設計に興味がある。 年収はどれくらいなの? こんな疑問を解消します。 回路設計エンジニアは『経験を積めば1,000万円も狙える職業』です。 トヨタ自動車やキーエンスなど、多[…]
プリプレグとは
図のように、プリプレグは『層間に挟み込まれている絶縁体』の役割を担う樹脂シートです。
ちなみに、層とは『銅箔部分』を指します。
『4層以上の多層基板』にだけ使用されるため、片面基板・両面基板にはありません。
プリプレグの役割
プリプレグの役割は、『接着剤』と『絶縁層』の2つです。
接着剤:内層の銅箔・プリプレグ・外層の銅箔を密着させる
絶縁層:層間を絶縁させる
それぞれの役割について解説していきます。
接着剤
プリプレグは、ガラス布に樹脂(主にエポキシ)を含浸させて半硬化状態(Bステージ)まで硬化させた樹脂シートです。
そのため、120℃以上に加熱すると樹脂が溶けて銅箔と密着し、さらに過熱して170℃以上になると硬化します。
この性質を利用して、積層していく際に内層の銅箔・プリプレグ・外層の銅箔を接着させることが可能です。
絶縁層
プリプレグは、『エポキシ樹脂のような電気絶縁性をもつ素材で作られている』ため、層間を絶縁可能です。
そのため、プリプレグを層間に挟み込むことにより、各層のパターンが別層に影響しなくなります。
FR-4(Flame Retardant Type 4)のような『ガラスエポキシ樹脂』が主に使われています。
プリプレグの関連知識
プリプレグについて理解できたら、下記2つも覚えておくことをオススメします。
・ソルダレジスト
・オーバーレジスト
上記2つは、『プリント基板を扱う上で必須の知識』です。
何を示すかイメージできなかった方は、ぜひ下記をご覧ください。
★【初心者向け】ソルダレジスト(SR)の役割について解説します!
困っている人 プリント基板を勉強していく中で「ソルダレジスト」というワードをよく耳にする。 どんな役割なんだろう? こんな疑問を解消します。 電子回路のプリント基板は『緑色』ですよね。 実は[…]
★【初心者向け】オーバーレジストの仕組み・役割を解説します!
困っている人 プリント基板を勉強していく中で「オーバーレジスト」というワードをよく耳にする。 どんな意味なんだろう? こんな疑問を解消します。 近年、『部品の超小型化』が進んでおり、基板実装も難しくなってきて[…]
まとめ
いかがでしたでしょうか。
電子回路のAW設計・発注を行う方にとって『プリプレグは必須の知識』です。
プリプレグの役割について、しっかりと理解しましょう。
\現役の回路設計エンジニアが解説!/
人気記事 【2023最新版】回路設計の年収は?現役エンジニアが解説します!
人気記事 【2023最新版】プリント基板設計でオススメの本 4選を紹介します!