
プリント基板を勉強していく中で「ソルダレジスト」というワードをよく耳にする。
どんな役割なんだろう?
こんな疑問を解消します。
電子回路のプリント基板って緑色をしていますよね。
実は、あの緑色部分が『ソルダレジスト』です。
そこで今回は、AW設計を行う上で必須となるソルダレジストの「役割」について解説します!
・ ソルダレジストの役割
・ ソルダレジストに求められる性能
・ なぜ緑色なのか
・ まとめ
ソルダレジストとは
電子回路を実装するプリント基板(PWB : Printed Wiring Board)における『緑色の部分』がソルダレジストです。
『ソルダマスク』や『グリーンマスク』とも呼ばれます。
ソルダレジストは、英語だと『Solder Resist』となり、以下の意味があります。
【solder resistの意味】
solder:はんだ
resist;抵抗
つまり、直訳すると『はんだ抵抗』です。
それでは、ソルダレジストの具体的な役割について解説していきます。
ソルダレジストの役割
ソルダレジストの主な役割は、以下の3つです。
【ソルダレジストの役割】
1. 部品実装時のはんだブリッジ防止
2. ほこり・熱・湿度からパターンを保護
3. パターン間の絶縁信頼性維持
では、それぞれについて説明していきます。
部品実装時のはんだブリッジ防止
部品をプリント基板にはんだ付けする際、はんだを介して近隣部品と接続されてしまう(ショートと呼ぶ)ことを防ぎます。
この近隣部品がはんだを介してショートすることを『はんだブリッジ』と言います。
ほこり・熱・湿度からパターンを保護する
電子回路は様々な場所に環境で使用されるため、その使用環境の影響で故障しないことが求められます。
例えば、『自動車エンジンを制御する電子回路』は100℃を超えるエンジンルームに搭載されるため、『熱』から回路を保護しなければなりません。
ソルダレジストを施すにことにより、『ほこり・熱・湿度』から『部品と部品を導通させる銅箔パターン』を保護することが可能です。
パターン間の絶縁信頼性維持
最近では、電子回路のパターン幅が0.075mmというように非常に小さい場合もあります。
そのため、意図しないパターン間でショートしてしまうことも考えられます。
例として、『マイグレーション』という銅箔がイオン化して伸びてしまい、近隣パターンとショートする現象が挙げられます。

ソルダレジストは、このような意図しないパターン間のショートを防ぐ役割があるのです。
その他にも、外部衝撃からの保護などの役割のあります。
ソルダレジストに求められる性能
上記で示した役割を果たすため、以下の性能が求められます。
【ソルダレジストに求められる性能】
1. 耐熱性
2. 耐湿性
3. 耐溶剤
4. 基板との密着性
5. 絶縁性
以上の性能を満たす『エポキシ樹脂』や『特殊アクリレート』などが、ソルダレジストの材質として使用されています。
なぜ緑色なのか
黒や白などの場合もありますが、多くは緑色となっています。
ソルダレジストを緑色にしている理由は、『目に優しい』からです。

SMT(Surface Mount Technology)はんだ工程においても、最終的には検査員が目視でチェックを行います。
そのため、目への負担が小さい緑色が使用されているです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
電子回路のAW設計・発注を行う方にとって『ソルダレジスト』は必須の知識です。
ソルダレジストの役割をしっかりと理解した上でAW設計・発注を進めていきましょう。
この記事が、皆様のお役に立てば幸いです。
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