将来的には自動車部品メーカーに就職したい。
けど、どの企業を志望すべきか分からない。
こんな疑問を解消します。
就職・転職活動する上で、最初にやるべきことは『志望企業が属する業界研究』です。
そのために、まず売上高ランキングを把握しましょう。
そこで今回は、『2018年度の自動車部品メーカーの国内ランキング(売上高)』について解説していきます!
1位:デンソーの特徴
2位:アイシンの特徴
3位:ブリヂストンの特徴
・ 自動車業界の将来
・ 転職を考えている方々へ
・ 就活を控えている学生へ
自動車部品メーカーの国内ランキング(売上高)
2018年度の売上高で、国内の自動車部品メーカーを順位付けしてみました。
ただし、『私自ら調査しているため、ミスもある』と思います。
ご参考程度にお願いします。
順位 | 企業名 | 売上高 | 純利益 |
1 | デンソー | 5兆3,620億円 | 2,545億円 |
2 | アイシン精機 | 4兆0,431億円 | 1,101億円 |
3 | ブリヂストン | 3兆6,501億円 | 2,916億円 |
4 | 住友電工 | 3兆1,780億円 | 1,181億円 |
5 | パナソニックAIS | 2兆9,831億円 | (561億円)*営業利益 |
6 | 豊田自動織機 | 2兆2,149億円 | 1,527億円 |
7 | 矢崎総業 | 1兆9,266億円 | ? |
8 | マニエッティ・マレリCKホールディングス | 1兆9,115億円 | ? |
9 | ジェイテクト | 1兆5,208億円 | 246億円 |
10 | トヨタ紡織 | 1兆4,064億円 | 215億円 |
11 | 日本精工 | 9,914億円 | 558億円 |
12 | 住友ゴム工業 | 8,942億円 | 362億円 |
13 | 豊田合成 | 8,407億円 | 233億円 |
14 | 小糸製作所 | 8,263億円 | 729億円 |
15 | NTN | 7,336億円 | -69億円 |
16 | 日本発条 | 6,810億円 | 71億円 |
17 | NOK | 6,695億円 | 34億円 |
18 | 東海理化 | 5,076億円 | 180億円 |
19 | フタバ産業 | 4,617億円 | 35億円 |
20 | スタンレー電気 | 4,341億円 | 403億円 |
21 | 日本特殊陶業 | 4,250億円 | 428億円 |
22 | KYB | 4,122億円 | -248億円 |
23 | テイ・エスティック | 4,120億円 | 258億円 |
24 | ケーヒン | 3,492億円 | 157億円 |
25 | シマノ | 3,480億円 | 539億円 |
26 | ミツバ | 3,333億円 | -70億円 |
27 | ユニプレス | 3,278億円 | 129億円 |
28 | タチエス | 3,005億円 | 19億円 |
29 | ショーワ | 2,867億円 | 191億円 |
30 | エクセディ | 2,824億円 | 130億円 |
*デンソー、アイシン精機、住友電工、豊田自動織機、ジェイテクト、パナソニックAIS、日本精工、小糸製作所、豊田合成、NTN、NOK、日本発条、東海理化、テイ・エス ティック、フタバ産業、スタンレー電気、KYB、ケーヒン、ミツバ、ユニプレス、タチエス、ショーワ、エクセディは”2018年4月~2019年3月”で計算。
*住友ゴム工業、シマノは”2018年1月~2018年12月”で計算。
*矢崎総業は”2017年7月~2018年6月”で計算。
*マニエッティ・マレリCKホールディングスは、CKホールディングスの傘下であるカルソニックカンセイが自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)から自動車部品部門「マニエッティ・マレリ」を購入したことにより2019年5月2日に誕生した。純利益は不明。
1位:トヨタグループ筆頭のデンソー
デンソーは、愛知県刈谷市に本社を置くトヨタ系の自動車部品メーカーです。
『1949年にトヨタ自動車の電装部門が分離独立』することで、「日本電装」という社名で誕生しました。
ちなみに、トヨタ自動車は現在もデンソーに約24%出資しているため、トヨタ自動車が筆頭株主です。
トヨタ自動車の子会社だが、独立性が強い
トヨタ自動車には「アイシン精機」「ジェイテクト」など数多くの子会社があります。
しかし、ほとんどの企業で、社長はトヨタ自動車出身者が務めています。
しかし、『デンソーは生え抜きの社員が社長を務めている』のです。
そのため、トヨタグループの中でも独立色が強い点が特徴であり、『トヨタ自動車に唯一モノが言える部品メーカー』とも言われています。
それでも圧倒的にトヨタ自動車の方が強いですが…
CASEにも対応できる技術力がある
現在、自動車業界はCASE(ケース)によって『100年に1度の大変革期』を迎えています。
そのため、既存の大手自動車部品メーカーがこの先も安泰なわけではありません。
CASEとは、下記4単語の頭文字をとったものであり、『CASEによってビジネスモデルが大きく変わる』と予想されています。
1.Connected(コネクティッド)
2.Autonomous(自動運転)
3.Shared&Services(シェア&サービス)
4.Electric(電動化)
しかし、『デンソーは電子制御の分野に長けているため、CASEによってさらに成長していく可能性が高い』です。
また、売上の約10%を研究開発費に投じており、新しい技術を創り出すという向上心が高いです。
平均年収は817万円(技能職・実務職含む)
平均年収は、817万円(技能職・実務職含む)です。
ただし、『大卒総合職は1000万円超え』となります。
自動車部品業界を目指すなら、是非ともチャレンジすべき企業ですね。
2位:トヨタグループ機械系サプライヤーのアイシン
アイシンは、愛知県刈谷市に本社を置く『トヨタ系の自動車部品メーカー』です。
1965年に愛知工業と新川工業が合併し、「アイシン精機」という社名で誕生。
さらに、2021年にアイシンAWと合併し、社名を「アイシン」に変更。
それぞれの頭文字である「愛」と「新」から取っています。
ちなみに、トヨタ自動車は現在もアイシンに約22%出資しているため、トヨタ自動車が筆頭株主です。
事業規模の大きい子会社を吸収
近年、『事業規模の大きな子会社を吸収』しています。
目的は、デジタル技術の活用による業務の効率化と新規事業の創出です。
子会社の中でも、『オートマチックトランスミッションで世界No.1のアイシンAW』は、親会社並の売上や事業規模を誇っていました。
その他にも、「ブレーキシステムのアドヴィックス」や「鋳造部品のアイシン高岡」など大企業があります。
CASEに対する不安があるが、準備は進めている
アイシンは『機械系部品のサプライヤーであるため、電動化に対してダメージが大きい』と予想されています。
また、「電動化に関わる周辺部品」や「電子制御部品」はデンソーと重複するものが多いため、デンソーと協力していかなければなりません。
しかし、アイシンは既に『デンソーとの合弁会社BluENexus』を立ち上げ、協力して電動車向けの製品を販売していく準備を進めています。
CASEへの対応も、着々と進めているのです。
電動車向け製品「eAxle(イーアクスル)」
製品としては、『HV・EV向けの駆動モジュールeAxle(イーアクスル)』を開発しています。
トランスアクスル・モーター・インバーターを一体化させた駆動モジュール。
1つのユニットとして「BluENexus」から完成車メーカーに販売している。
トランスアクスル・モーターをアイシンが、インバーターをデンソーが提供しています。
トヨタ自動車の新型EV「bZ4X」に採用され、既に販売済みです。
の平均年収は750万円(技能職・実務職含む)
平均年収は、750万円(技能職・実務職含む)です。
ただし、『大卒総合職であれば約1000万円』でしょう。
デンソーと同じく高年収であるため、自動車部品業界を目指すなら検討すべき企業ですね。
3位:売上世界1位のタイヤメーカーであるブリヂストン
ブリヂストンは、東京都に本社を置く『売り上げ世界1位のタイヤメーカー』です。
ブリヂストン:14.5%
ミシュラン:14.0%
グットイヤー:8.5%
1931年に日本足袋株式会社のタイヤ部門が分離独立し、「日本タイヤ株式会社」という社名で誕生しました。
現在の社名である「ブリヂストン」は、創業者である石橋正二郎の名字『石=ストーン』『橋=ブリッヂ』から名付けられたと言われています。
海外の売上比率が70%以上であるため、為替の影響を受けやすい
グループ全体として、『世界26カ国に約180の生産・開発拠点』があり、さらに『150を超える国々で事業展開』しています。
そのため、海外での売上比率が高く、為替の影響を受けやすいのです。
例えば、為替が円高に振れている2019年12月期は、売上予測が下方修正されています。
また、近年は原料である天然ゴムの価格高騰により、利益が少なくなる事態も起きていました。
CASEへの対応策も準備している
CASEの到来に合わせ、新たな技術をしっかりと開発中です。
例として、2019年に実用化を目指している『タイヤがパンクしなくなる技術エアフリーコンセプト』が挙げられます。
特殊形状の樹脂スポークを利用することによって、車の重量を支えたり、衝撃を吸収することができる新しいタイヤ技術
自動運転時代が到来すると、運転手がいない無人バスが実現されるでしょう。
無人バスには運転手がいないため、タイヤが故障した際には誰もメンテナンスできません。
しかし、『エアフリーコンセプトを用いたタイヤなら、そもそもパンクしないのでメンテナンスは必要ない』のです。
このように、CASEを見据えた新技術も着々と準備しています。
平均年収は723万円(技能職・実務職含む)
平均年収は、723万円(技能職・実務職含む)です。
ただし、『大卒総合職は900~1000万円』でしょう。
世界シェアも握っており、尚且つ将来性もあるため、積極的に狙いたい企業となります。
自動車部品業界の将来
自動車業界は、CASEによってビジネスモデルが大きく変わる『100年に1度の大変革期』を迎えています。
そのため、既存の大手自動車部品メーカーがこの先も安泰であるとは言えません。
各自動車部品メーカーは、次世代への生き残りをかけて技術開発を加速させており、さらには新たなビジネス創出のために合併や提携が進められています。
その影響で、自動車部品メーカーの世界ランキングも毎年大きく変化しているのです。
★【2018年度】自動車部品メーカーの世界ランキング(売上高)をまとめてみた!
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転職を考えている方々へ
『長期的なキャリア形成』を考慮すると、20代のうちに転職活動してみることをオススメします。
30代以降では大きなキャリアチェンジは難しくなるため、現状に不満があるなら早めにキャリアを見つめ直すべきです。
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転職活動の第一歩として、ぜひ利用してみて下さい!
就活を控えている学生へ
就職先を選ぶ際には、企業がどのような展望をもっているか等、『より深く業界研究を進めていくことが大切』です。
今回の売上高ランキングを見て、興味が出た企業を積極的に調べ上げることにより、業界についての理解がさらに深まります。
業界知識があれば、『面接での受け答えにも役立つこと』間違い無しです。
さらにオススメが、長期インターンシップです。
大手自動車部品メーカーのインターンシップ
業界研究の次は、「実際に社員の方々にお話を聞く」ことをオススメします。
その手段としては、『長期インターンシップ参加』が良いでしょう。
企業の将来展望・業務内容だけでなく、職場の雰囲気まで分かります。
(ブラックかどうかも分かるということです…)
私自身の体験談を下記で紹介しているため、ぜひご覧ください。
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