
自動車用の回路で『ロードダンプ』という用語がよく出てくる。
どんな意味なんだろう?
こんな疑問を解消します。
ロードダンプとは、『自動車においてバッテリ遮断時に発生するサージ電圧』を意味します。
このサージ電圧は『100V以上』となるため、必ず対策しなければならないものです。
そこで今回は、ロードダンプの『意味』や『原理』について解説します!
・ ロードダンプ発生の原理
・ 電源バッテリ外れの原因
・ ロードダンプ対策
・ まとめ
ロードダンプとは
ロードダンプとは、『オルタネータがバッテリ充電をしている最中に、バッテリ回路が断線した瞬間にバッテリ以外の他の負荷へ発生するサージ電圧』のことを意味します。

『100V以上』が『数百ミリ秒』継続して印加される場合もあります。
『サージ電圧(フライバック電圧)』については、以下の記事で解説しています。
ロードダンプ発生の原理
通常時、発電機である『オルタネータ』から電源バッテリに電流を流して充電しています。
その状態において、電源バッテリまでの経路が断線してしまった場合を考えてみましょう。
電源バッテリ回路の断線時、『モータなどの寄生インダクタンス』によってオルタネータの充電電流は負荷(モータなど)へ流れ続けようとして高電圧を発生するのです。

この高電圧を『ロードダンプ(サージ)』と呼びます。
電源バッテリ外れの原因
電源バッテリ外れの原因としては、主に以下の2つが挙げられます。
【電源バッテリ外れの原因】
・自動車運転時の振動
・バッテリ端子の腐食
以上のような事象が原因で、接続不良が起きることがあるのです。
ロードダンプ対策
ロードダンプ対策の例として、『ツェナーダイオードによるクランプ』が挙げられます。
電源回路上にツェナーダイオードを挿入しておけば、ロードダンプ発生時に負荷に印加される電圧を『ツェナー電圧』にクランプ(固定)できるのです。
『ダイオードによるクランプ』については、以下の記事で解説しています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
自動車の回路設計者にとって『ロードダンプ』は必須の知識です。
ロードダンプの『意味』や『原理』をしっかりと理解しましょう。
この記事が、皆様のお役に立てば幸いです。
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