RLC直列回路の過渡現象

RLC直列回路の過渡現象について解説します!

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困っている人

電子回路を勉強していく中で「RLC直列回路の過渡現象」がよく出てくる。
なぜ過渡現象が起きるの?

こんな疑問を解消します。

RLC直列回路の過渡現象は、電子回路では発生することが多いため、必ず理解しておくべきです。

 
 
そこで今回は、『RLC直列回路の過渡現象』について解説します!
 

本記事の内容・ RLC直列回路とは
・ 電圧の関係式
・ 微分方程式の解法
・ RLC直列回路の電流波形
・ RLC直列回路の電圧波形
・ シミュレーションでの確認①
・ シミュレーションでの確認②
・ まとめ
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RLC直列回路の構成

RLC直列回路の構成
RLC直列回路とは、『抵抗・コイル・コンデンサが直列に接続された回路』です。

RLCについては、以下の由来があります。

【RLCの意味】

R:Resistor(抵抗)の頭文字

L:Coil(コイル)の最後の文字

C:Capacitande(コンデンサ)の頭文字

 

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このRLC回路について、まずは電流を導出してみましょう。

 

電圧の関係式

波形測定
キルヒホッフの第2法則を用いると『電圧の関係式』は下記のようになります。

$$ Vr + Vl + Vc = E $$

$$⇔ RI + L\frac{dI}{dt} + \frac{1}{C}\int Idt = E $$

\(I \):回路に流れる電流

\(E \):直流電源の電圧

\( Vr \) :抵抗の電位差

\( Vl \):コイルの電位差

\( Vc \):コンデンサの電位差

 
 
この微分方程式を解けば、『回路に流れる電流』を導出できるのです。

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微分方程式の解き方も併せて、丁寧に解説していきます。

 

微分方程式の解法

メモを取る手元
微分方程式の解法は、下記となります。

$$ y^{\prime\prime} + ay^{\prime} + by = 0 ・・・①$$

①の一般解は、下記方程式の解を用いて表すことができる。

$$ γ^2 + aγ + b = 0 ・・・②$$

1.②が異なる2つの実数解(p,q)を持つとき、

$$ y = Se^{px} + Te^{qx} $$
2.②が異なる2つの虚数解(h±ki)を持つとき、

$$ y = e^{hx}(Scoskx+ Tsinkx) $$

3.②が異なる重解(p)を持つとき、

$$ y = e^{px}(S+ Tx) $$

$$※S,Tは定数$$

 

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覚える必要はなく、このような解き方があることを知っておくだけで良いです。

 

RLC直列回路の電流波形

RLC直列回路の電流
上図のように、R,L,Cの値によって『電流の波形』が異なります。

では、微分方程式を解いて、電流を導出していきましょう。

$$ RI + L\frac{dI}{dt} + \frac{1}{C}\int Idt = E ・・・①$$

①の両辺をtで微分すると、

$$ R\frac{dI}{dt} + L\frac{d^2I}{dt^2} + \frac{1}{C} = 0 ・・・②$$

②の微分方程式を解きやすいように両辺をLで割って並び替えると、

$$ \frac{d^2I}{dt^2} + \frac{R}{L}\frac{dI}{dt} + \frac{1}{LC} = 0 ・・・③$$

③の解は、下記方程式④の解を用いて表すことができる。

$$ γ^2 + \frac{R}{L}γ + \frac{1}{LC} = 0 ・・・④$$

解の公式を用いて④を解くと、

$$ γ = -\frac{R}{2L} \pm\sqrt{\left(\frac{R}{2L}\right)^2-\frac{1}{LC}} $$

1.④が異なる2つの実数解を持つとき、\( \left(\frac{R}{2L}\right)^2>\frac{1}{LC} \)であり、

\begin{eqnarray}
I = &S&e^{\left(-\frac{R}{2L} +\sqrt{\left(\frac{R}{2L}\right)^2-\frac{1}{LC}}\right)t} \\
&+& Te^{\left(-\frac{R}{2L} -\sqrt{\left(\frac{R}{2L}\right)^2-\frac{1}{LC}}\right)t}
\end{eqnarray}

2.②が異なる2つの虚数解を持つとき、\( \left(\frac{R}{2L}\right)^2<\frac{1}{LC} \)であり、 \begin{eqnarray} y = &e&^{(-\frac{R}{2L})t}(Scos\left(\sqrt{\frac{1}{LC}-\left(\frac{R}{2L}\right)^2}\right)t \\ &+& Tsin\left(\sqrt{\frac{1}{LC}-\left(\frac{R}{2L}\right)^2}\right)t) \end{eqnarray} 3.②が異なる重解を持つとき、\( \left(\frac{R}{2L}\right)^2=\frac{1}{LC} \)であり、 $$ y = e^{\left(-\frac{R}{2L}\right)t}(S+ Tt) $$ $$ ※S,Tは定数 $$

 

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どの場合にも、電流は次第に流れなくなることが分かります。

 

RLC直列回路の電圧波形

RLC直列回路の電圧
R,L,Cの値によって、測定点の電圧波形は、上図のようになります。

1. \( \left(\frac{R}{2L}\right)^2 \) > \( \frac{1}{LC} \)

電流はゆっくりと流れなくなるため、測定点の電圧はゆっくりと電源電圧に近づいていきます。
 
2. \( \left(\frac{R}{2L}\right)^2\) < \( \frac{1}{LC} \)

\( Vc = \frac{1}{C}\int Idt \)であるため、測定点の電圧は、電流と\( \frac{π}{2} \)ずれた波形になります。

最後には電流が流れなくなるため、測定点の電圧は電源電圧と同じになります。
 
3. \( \left(\frac{R}{2L}\right)^2\) = \( \frac{1}{LC} \)

1と同様に、電流はゆっくりと流れなくなるため、測定点の電圧はゆっくりと電源電圧に近づいていきます。

 

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電流波形を理解しておけば、電圧波形も理解できるのです。

 

シミュレーションでの確認①

RLC直列回路のシミュレーション
上図のような回路について、シミュレーションで実際の波形を確認してみましょう。

各素子の定数は、以下のように設定してあります。

【定数の設定】

抵抗R:600Ω

インダクタンスL:900nH

コンデンサC:10pF

電源電圧E:3V

 
この時、電流波形・電圧波形は以下のように導出できます。

【電流波形・電圧波形の導出】

\( \left(\frac{R}{2L}\right)^2 = \left(\frac{600}{2×900n}\right)^2 = \frac{1}{9}×10^{18} \)

\( \frac{1}{LC} = \frac{1}{900n×10p} = \frac{1}{9}×10^{18} \)

\( \left(\frac{R}{2L}\right)^2 = \frac{1}{LC} \)より、電流波形:減少、電圧波形:上昇となります。

 
シミュレーション結果は、以下のようになりました。
 
RLC直列回路のシミュレーション結果
 

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机上で導出した通りの波形となりましたね。

 

シミュレーションでの確認②

RLC直列回路のシミュレーション2
抵抗を小さくして、シミュレーションで実際の波形を確認してみましょう。

各素子の定数は、以下のように設定してあります。

【定数の設定】

抵抗R:600Ω ⇒ 100Ω

インダクタンスL:900nH

コンデンサC:10pF

電源電圧E:3V

 
この時、電流波形・電圧波形は以下のように導出できます。

【電流波形・電圧波形の導出】

\( \left(\frac{R}{2L}\right)^2 = \left(\frac{100}{2×900n}\right)^2 = \frac{1}{324}×10^{18} \)

\( \frac{1}{LC} = \frac{1}{900n×10p} = \frac{1}{9}×10^{18} \)

\( \left(\frac{R}{2L}\right)^2 < \frac{1}{LC} \)より、電流波形:振動、電圧波形:振動となります。

 
シミュレーション結果は、以下のようになりました。
 
RLC直列回路のシミュレーション結果2

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入力電圧に対して、出力電圧の最大値がかなり大きくなっていますね。

 

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RLC直列回路の過渡現象まとめ

まとめ
いかがでしたでしょうか。

電子回路を設計する上で『RLC直列回路の過渡現象』は必須の知識です。

『RLC直列回路の過渡現象』をしっかりと理解しましょう。

この記事が、皆様のお役に立てば幸いです。

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