
電子回路で「オープンコレクタ」という用語がよく出てくる。
どんな回路なんだろう?
こんな疑問を解消します。
オープンコレクタ出力は、『NPNトランジスタをスイッチとして用いた出力形態』です。
ICのデジタル出力でよく使用されるため、回路設計者なら必ず覚えなければなりません。
そこで今回は、『オープンコレクタ出力』について解説していきます!
・ オープンコレクタの回路構成
・ オープンコレクタのハイレベル出力
・ オープンコレクタのローレベル出力
・ アクティブLo
・ オープンコレクタと合わせて覚えておくべき回路
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オープンコレクタ出力とは
オープンコレクタ出力は、『NPNトランジスタをスイッチとして用いた出力形態』です。
デジタル回路でよく使用される出力形態であり、回路設計者が最初につまづきやすい回路となります。

マイコンの汎用I/Oでは、『プッシュプルorオープンコレクタ(オープンドレイン)』のどちらかが必ず使用されているので、機会があればデータシートをチェックしてみて下さい。
ちなみに、NPNトランジスタではなく、Nch-MOSで構成されている場合は『オープンドレイン』と呼ばれます。
今回は、NPNトランジスタを使用したオープンコレクタの動作を説明していきます。
オープンコレクタの回路構成
オープンコレクタは、上図のような回路構成となっています。
IC出力端子の内部:NPN-Trのコレクタ端子が接続される
IC出力端子の外部:電源&P/U抵抗が接続される
IC出力端子の外部には、『出力したい電圧値の電源』を接続して下さい。
オープンコレクタのハイレベル出力
まずは、ハイレベル出力から説明します。
『NPN-Trのベース・エミッタ電圧 > Vin – GND』の場合、NPN-TrはONしません。
上図の場合、『NPN-Trのベース・エミッタ電圧 = 0.7V > Vin – GND = 0V』であるため、 NPN-TrがONせずにVout = 5V(IC端子外部の電源電圧)となるのです。

電流が流れる経路がないため、Voutは外部電源と同電位となります。
オープンコレクタのローレベル出力
次に、ローレベル出力を説明します。
『NPN-Trのベース・エミッタ電圧 < Vin – Va』の場合、NPN-TrがONします。
上図の場合、『NPN-Trのベース・エミッタ電圧 = 0.7V < Vin – Va = 1.0V』であるため、 NPN-TrがONしてVout = 0Vとなるのです。

NPN-Trに電流が流れるため、VoutはGNDと同電位となります。
アクティブLo
オープンコレクタは、NPN-TrがONするとVout = 0Vとなる回路です。
このように、SW:ONでLo出力となるものを『アクティブLo』と呼びます。

電子回路では一般的な用語であるため、ぜひ覚えておいて下さい。
オープンコレクタのメリット
オープンコレクタのメリットについては、下記の記事で紹介しています。

メリットも知っておけば、オープンコレクタの理解がより深まるため、ぜひご覧下さい。
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オープンコレクタと合わせて覚えておくべき回路
オープンコレクタについて理解できたら、『プッシュプル回路』も覚えておくことをオススメします。
互いに逆の動作をするトランジスタを組み合わせて出力を増幅する回路
こちらも、『電子回路を扱う上で必須の基礎知識』です。

知らなかった方は、ぜひ下記をご覧ください。
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オープンコレクタ出力まとめ
いかがでしたでしょうか。
電子回路設計者にとって『オープンコレクタは必須の知識』です。
オープンコレクタ出力をしっかりと理解しましょう。
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