
電子回路を勉強していく中で「CR回路」がよく出てくるけど、理屈が分からない。
どんな原理なんだろう?
こんな疑問を解消します。
CR回路は、『ハイパスフィルタとして使用されることが多い回路』です。
しかし、原理が分かっていない方も多いですよね。
そこで今回は、『CR回路の電流波形や電圧波形』について解説します!
・ 電流波形
・ 電圧波形
・ 時定数
・ まとめ
CR回路とは
CR回路とは、『電源・コンデンサ・抵抗の順番で直列に構成される回路』です。
CとRについては、以下の頭文字から取られています。
C:Capacitande(コンデンサ)
R:Resistor(抵抗)

このCR回路について、まずは電流波形を見ていきましょう。
電流波形
入力電圧VINが5Vに立ち上がった際、電流も一時的に流れています。
しかし、その後すぐに流れなくなり、入力電圧VINが0Vに立ち下がった際に逆方向に電流が一時的に流れています。
これは、コンデンサの『交流成分だけ電流を通す性質』により、電圧が変化した『0V → 5V』『5V → 0V』の際だけ電流が流れているのです。
交流成分のような電圧が変化した際にだけ電流を通す。

コンデンサの性質をしっかり押さえた上で、電圧波形に移りましょう。
電圧波形
入力電圧VINに対して、出力電圧VOUTは最初だけ立ち上がり、その後下がっていくことが分かります。
これは、最初だけ回路に電流が流れるため、『徐々に抵抗に電流が流れなくなり、最後はVOUTとGNDが等電位になる』ことによるものです。

回路に電流が流れなければ、『抵抗は短絡してただの導線と同じ』になるからですね。
【電圧の立ち上がり】
それに対して、入力電圧VINが立ち下がった際には、『コンデンサに溜まっていた電荷が抜けていくことによってGNDから電源に向かって電流が流れる』のです。
その結果、VOUTはGNDから抵抗の分だけ電圧降下するため、最初は電圧がマイナスとなります。
その後は徐々に抵抗に電流が流れなくなり、最後にはVOUTとGNDが等電位になるのです。
【電圧の立ち下がり】
これは感覚的に分かると思うのですが、『電源0V』であるのに対して『コンデンサ5V』であるため、当然コンデンサから電源に電荷が流れていきます。
時定数
時定数とは、『過渡状態から定常状態までの変化の速さを表わす量』を意味します。
時定数が大きければ過渡状態から定常状態になるまでの時間も早くなるのです。
CR直列回路では、時定数は『 C × R 』となり、今回の場合では『10μ × 10k = 100mm Sec』となります。

時定数は大学受験でも出てくるため、常識として押さえておきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
電子回路を設計する上で『CR回路は必須の知識』です。
CR回路の原理をしっかりと理解しましょう。
この記事が、皆様のお役に立てば幸いです。
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