車載技術を勉強する中で、JASPARという組織をよく目にする。
どんな組織なの?
こんな疑問を解消します。
JASPARは『自動車技術の標準化団体』です。
国内自動車関連メーカーが協力して、非競争領域技術の開発を進めています。
そこで今回は、『自動車標準化団体JASPAR』について解説していきます!
・ JASPARの目的
・ 非競争領域とは
・ WG(ワーキンググループ)
・ JASPAR参加企業
JASPARとは
JASPARは、『自動車技術の非競争領域について、標準化活動を続けてきた団体』です。
多くの国内自動車関連メーカーが所属しており、協力して標準化を進めています。
「Japan Automotive Software Platform Architecture」の略称です。
JASPARの目的
JASPARの目的は、『開発コストの削減と品質の向上』です。
その背景として、「ソフトウェア工数の急激な増加」が挙げられます。
近年、自動車の電動化に伴い、ソフトウェア開発が加速
⇒プログラムコードが数千万行という膨大な量となり、ソフトウェア開発コストが急激に増大
以上の背景を踏まえて、『トヨタと日産を中心とした自動車関連メーカーが団結』しました。
そして、これまで自動車メーカーごとにあったソフトウェア基盤や通信仕様を共同開発することを決めたのです。
非競争領域とは
非競争領域としては、下記が挙げられます。
車載LAN要素技術
ミドルウェア
ソフトウェア基盤(BSW)
※ミドルウェア:アプリケーションとOSとの間に存在するソフトウェア
車載LANは、次世代通信技術の候補『CAN-FD』や『Ethernet』が検討されています。
通信技術とソフトウェア(アプリケーション等は除く)が非競争領域として共同開発されているのです。
WG(ワーキンググループ)
WGは、『特定の問題に対して、具体的・実務的な作業や調査をする集まり』です。
現在、JASPARには以下のWGが存在します。
・機能安全WG
・AD/ADAS車両制御IF WG
・AUTOSARWG標準化WG
・車載LAN WG
・コネクティビティWG
・次世代高速LAN WG
・車両情報共用検討WG
・情報セキュリティ推進WG
・OTA技術WG
様々な分野で標準化を進めるため、多くのWGが存在しているのです。
JASPAR参加企業
JASPAR参加企業は、『198社(2023年時点)』です。
その中でも、中心として活動している幹事企業は、下記の5社となっています。
・トヨタ自動車
・日産自動車
・本田技術研究所
・デンソー
・豊田通商
JASPAR設立当初から、幹事企業は変わっておらず、全体運営を担ってきました。
他には、完成車/電装品/半導体/ソフトウェア/ハーネスなどに関連する多くの企業が参加しています。
今後も会員企業は増えていき、幅広く標準化活動が進められていくでしょう。
自動車標準化団体JASPARまとめ
いかがでしたでしょうか。
自動車エンジニアであれば、『JASPARは必ず知っておくべき組織』です。
JASPARについてしっかりと理解しましょう。
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