デジタル出力には「プッシュプル」と「オープンコレクタ」があるよね。
オープンコレクタのメリットって何?
こんな疑問を解消します。
オープンコレクタ出力は、『NPNトランジスタをスイッチとして用いた出力方式』です。
ICのデジタル出力では、プッシュプルと並んで多用されています。
そこで今回は、オープンコレクタのメリットについて解説していきます!
・ オープンコレクタのメリット
メリット①:レベルシフトが容易
メリット②:ワイヤードORが容易
メリット③:小電力の負荷を直接駆動
・ オープンコレクタと合わせて覚えておくべき回路
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オープンコレクタ出力とは
オープンコレクタ出力は、『NPNトランジスタをスイッチとして用いた出力方式』です。
デジタル回路の出力でよく使用されており、設計初心者が最初に疑問に思う回路となります。
「回路構成・動作」については下記で紹介してるため、ぜひご覧ください。
困っている人 電子回路で「オープンコレクタ」という用語がよく出てくる。 どんな回路なんだろう? こんな疑問を解消します。 オープンコレクタ出力は、『NPNトランジスタをスイッチとして用いた出力形態』です。 […]
オープンコレクタのメリット
オープンコレクタのメリットは、以下の3点となります。
1.レベルシフトが容易
2.ワイヤードORが容易
3.小電力の負荷を直接駆動できる
では、1つずつ説明していきます。
メリット①:レベルシフトが容易
電源電圧が異なるICで入出力を行う場合、信号レベルの変換(レベルシフト)が必要です。
通常、電源電圧より高い電圧が入力されると、ICは故障してしまいます。
上図のように、5V系IC⇔3.3V系ICを例に考えてみましょう。
今回の例だと、5V系IC⇒3.3V系ICに信号出力する場合が該当します。
5V系IC⇒3.3V系ICに信号出力する際、『オープンコレクタだと外部電源を3.3Vにするだけでレベルシフト可能』です。
プッシュプルの場合、ICの電源電圧をそのまま出力してしまうため、レベルシフトには別途工夫が必要です。
メリット②:ワイヤードORが容易
ワイヤードORは、『複数のIC出力を接続してORロジック(負論理)を構成する手法』です。
プッシュプルの場合だと、ICの出力間でショートしてしまいます。
しかし、オープンコレクタの場合は『IC-A:Hi出力、IC-B:Lo出力の場合でも、IC-A⇒IC-Bに電流が流れない』ため、ICの出力間でショートしません。
そのため、複数のICから同じICに出力する場合はオープンコレクタを使用します。
メリット③:小電力の負荷を直接駆動できる
一般的にプッシュプル出力よりも大きな電流を流せるため、『外部電源の電圧』や『プルアップ抵抗の定数』の変更により、流れる電流値を調整できます。
そのため、小電力の負荷ならば容易に直接駆動可能です。
小電力の負荷としては、LED・リレー・ソレノイドなどが挙げられます。
外部電源や素子の変更だけで、容易にLEDなどを点灯できるのは便利ですね。
オープンコレクタと合わせて覚えておくべき回路
オープンコレクタについて理解できたら、『プッシュプル回路』も覚えておくことをオススメします。
互いに逆の動作をするトランジスタを組み合わせて出力を増幅する回路
こちらも、『電子回路を扱う上で必須の基礎知識』です。
知らなかった方は、ぜひ下記をご覧ください。
困っている人 電子回路で「プッシュプル回路」という用語がよく出てくる。 どんな回路なの? こんな疑問を解消します。 プッシュプル回路は、『互いに逆の動作をするトランジスタを組み合わせて出力を増幅する回路』です[…]
オープンコレクタのメリットまとめ
いかがでしたでしょうか。
電子回路設計者にとって『オープンコレクタは必須の知識』です。
オープンコレクタのメリットを理解し、うまく活用しましょう。
この記事が、皆様のお役に立てば幸いです。
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