
CMOS-ICを使用する中で、ファンアウトという用語をよく耳にする。
ファンアウトって何?
こんな疑問を解消します。
CMOSのファンアウトとは、『CMOSの出力1端子に対して接続可能なCMOSの入力端子数』です。
複数のICを接続する場合、必ずファンアウトを確認する必要があります。
そこで今回は、CMOSのファンアウトについて解説していきます!
・ CMOSのファンアウト
・ CMOSのファンアウト算出例
・ まとめ
CMOSとは
CMOSとは、『PチャネルとNチャネルのMOSFETを相補的に組み合せたデジタル回路』であり、多くの電子回路で利用されています。
『Complementary Metal Oxide Semiconductor』を略しており、以下の特徴があります。
・電源は3V ~ 16V
電源が『Vdd』と定義される
・ノイズに強い
・消費電力が小さい(発熱が小さい)
とりあえず、以上の特徴を頭に入れておきましょう。

では早速、『CMOSのファンアウト』について説明していきます。
CMOSのファンアウト
ファンアウトとは、『CMOSの出力1端子に対して接続可能なCMOSの入力端子数』です。
データシート記載の負荷容量(信号遅延に影響しない程度の負荷)と、接続するCMOSの入力容量をもとに算出することができます。
ファンアウト = 負荷容量 / 入力容量
CMOSには電流が流れないため、電流ではなく容量によってファンアウトが決まります。

ファンアウトを超える容量を接続すると波形がなまり,伝搬時間が遅くなってしまいます。
ちなみに、TTLの場合は『ICの入出力電流』をもとに算出します。
TTLについては、以下の記事で紹介してるため、ぜひご覧ください。
関連記事 【初心者向け】TTLの「意味」や「レベル」について解説します!
CMOSのファンアウト算出例
では、具体的に計算してみましょう。
【前提条件】
負荷容量 = 20pF
入力容量 = 10pF
【ファンアウト算出結果】
ファンアウト = 20pF / 10pF = 2

以上のように、計算自体はすごく簡単です。
CMOSのファンアウトまとめ
いかがでしたでしょうか。
電子回路を扱う上で『CMOSのファンアウト』は必須の知識です。
ファンアウトについて、しっかりと理解しておきましょう。
この記事が、皆様のお役に立てば幸いです。
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