
はんだ付けには、フロー方式とリフロー方式があるらしい。
どう違うのか知りたい。
こんな疑問を解消します。
フローとリフローの大きな違いは、『はんだを溶かすタイミング』です。
近年はリフロー方式が主流ですが、フロー方式が使われることもあるため、それぞれの違いを正確に理解しておく必要があります。
そこで今回は、フローとリフローの違いについて解説していきます!
・ フロー方式とは
・ フロー方式の工程
・ リフロー方式とは
・ リフロー方式の工程
・ まとめ
フローとリフローの違い
フローとリフローの違いは、まとめると下記の通りです。
フロー | リフロー | |
部品とはんだの接合方法 | 溶けたはんだを部品に浸ける | クリームはんだの上に部品を実装した後、加熱してはんだを溶かす |
対象部品 | リード付きなどの大型部品 | チップ型などの小型部品 |
はんだ不良 | 起きやすい | 起きにくい |

では、フローリフローそれぞれについて丁寧に解説していきます。
フロー方式とは
フロー方式は、DIP槽(溶かしたはんだが入っている)にプリント基板の下面を浸すことにより、はんだ付けを行う方式です。
機械実装できないレベルで大きいサイズの部品は、リフロー方式は使用できないため、フロー方式ではんだ付けします。

リード付きのTHD部品は、リフロー非対応のものが多いです。
フロー方式の工程
DIP槽には、以下の2種類があります。
【DIP槽の種類】
1.静止槽
2.噴流式はんだ槽
使用するDIP槽の種類によって、はんだ付けの工程が変わるため、それぞれをの工程について説明します。
1.静止槽を使用した工程
①プリント基板に部品を固定
THD(挿入実装部品):基板に挿し込む。
SMD(表面実装部品):接着剤(ボンドなど)で固定する
②DIP槽に浸す
基板下面をDIP槽に浸し、はんだを付ける
③はんだが固まる
DIP槽から基板を持ち上げ、はんだが固まる

DIP槽の名前の由来は、「DIP ⇒ 浸す」に由来するとも言われています。
2.噴流式はんだ槽を使用した工程
①プリント基板に部品を固定
THD(挿入実装部品):基板に挿し込む。
SMD(表面実装部品):接着剤(ボンドなど)で固定する
②1次噴流はんだ
基板下面に対して、DIP槽からSMD部品にはんだを噴射してはんだ付けする
③2次噴流はんだ
基板下面に対して、DIP槽からTHD部品にはんだを噴射してはんだ付けする
※1次噴流で付き過ぎたはんだは、2次噴流はんだが落ちる際に一緒に落ちる
④はんだが固まる
ベルトコンベアで基板が流れていく間に、はんだが固まる

噴流式の方が新しく、83年頃からの登場しています。
リフロー方式とは
リフロー方式は、あらかじめ常温でペースト状はんだを基板に塗布し、その上に部品を実装した後に加熱してはんだ付けする方式です。
加熱方法としては、赤外線式や熱風式が多くなっています。

リフロー方式に対応するため、アルミ電解コンデンサなどの大型部品もSMD化したものが増えてきました。
リフロー方式の工程
①クリームはんだの印刷&接着剤の塗布
メタルマスクを用いて、必要な箇所にのみクリームはんだを塗布する
クリームはんだ以外ではんだ付けする部品に対して、接着剤(ボンドなど)を用いて固定する
②部品実装
クリームはんだや接着剤を塗布した箇所に、部品を実装する
③リフロー炉で加熱
クリームはんだを溶かして部品と密着させる。接着剤の上に実装した部品についても、接着剤を硬化させて固定する
④溶解はんだが端子電極と接合
溶けたはんだが部品の端子電極と接合する

最初から適切な量のはんだを用意しておくので、はんだつけ過ぎによるはんだショートなどが発生しにくいです。
フローとリフローの違いまとめ
いかがでしたでしょうか。
電子回路設計者にとって『フローとリフロー』は必須の知識です。
フローとリフローの違いをしっかりと理解しましょう。
この記事が、皆様のお役に立てば幸いです。
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