MOSFETのゲートドライブ回路

【初心者向け】MOSFETのゲートドライブ回路について解説します!

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困っている人

電子回路を勉強する中でMOSFETがよく出てくるけど、『ゲートドライブ回路』が分からない。
どんな原理なんだろう?

こんな疑問を解消します。

『MOSFETのゲートドライブ回路』は難しいため、原理が分かっていない方も多いですよね。

そこで今回は、MOSFETのゲートドライブ回路について丁寧に解説します!
 

本記事の内容・ MOSFETの寄生容量
・ ゲート電荷量とドレイン電圧
・ ゲート抵抗とスイッチング特性
・ ゲート抵抗によってスイッチング速度が変化する理由
・ ダイオードを用いたオン/オフ時間の個別制御
・ セルフターンオンとは
・ まとめ
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MOSFETの寄生容量

MOSFETの寄生容量
MOSFETには、上図のように『ゲートソース間・ゲートドレイン間・ソースドレイン間に寄生容量』があります。

【MOSFETの寄生容量】

ゲートソース間:Cgs

ゲートドレイン間:Cgd

ソースドレイン間:Cds

 
 
ただし、データシートには以下のように記載されています。

【データシート記載のパラメータ】

入力容量Ciss = Cgd + Cgs

出力容量Coss = Cds + Cgd

帰還容量Crss = Cgd

 

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もっぷ

実際の回路設計では、以上3点のパラメータを使用して周辺回路を設計していくのです。

 

ゲート電荷量とドレイン電流

ゲート電荷量とドレイン電流
ゲート電荷量とドレイン電流の関係は、上図の通りです。

各ステップについて、詳細に説明していきます。

【時間:0 ~ t1】

Vgs = Vthとなるまで、CgsとCgdが同時に充電されます。

このとき、ドレインソース間に電流はまだ流れません。

【時間:t1 ~ t2】

引き続き、CgsとCgdが同時に充電され、Vgsは上昇していきます。

このとき、ドレインソース間に電流は流れ始め、少しずつ増加します。

【時間:t2 ~ t3】

Cgdのみが充電され、Vgs = Vpl(ミラー電圧)で一定となります。

このとき、ドレインソース間の電流は一定です。

【時間:t3 ~ t4】

CgsとCgdが同時に充電され、Vgsは上昇していきます。

このとき、ドレインソース間の電流は一定です。

 

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もっぷ

ゲート電荷量の変化に対するドレイン電流の変化をしっかりと頭に入れましょう。

 

各期間の導出

メモを取る手元
各期間について、式で導出すると下記のようになります。

【時間:0 ~ t1】

Vth = Vg × (1 – exp(-t1 / Rg × Ciss))

⇔exp(-t1 / Rg × Ciss) = 1 – Vth / Vg

⇔-t1 / Rg × Ciss = ln(1 – Vth / Vg)

⇔-t1 = Rg × Ciss × ln(1 – Vth / Vg)

⇔-t1 = Rg × Ciss × ln((Vg – Vth) / Vg)

⇔t1 = Rg × Ciss × ln(Vg / (Vg – Vth))

【時間:t1 ~ t2】

Vpl = Vg × (1 – exp(-t2 / Rg × Ciss))

0 ~ t1と同様なので、省略

⇔t2 = Rg × Ciss × ln(Vg / (Vg – Vpl))

t2 – t1 = Rg × Ciss × ln(Vg / (Vg – Vpl)) – Rg × Ciss × ln(Vg / (Vg – Vth))

⇔t2 – t1 = Rg × Ciss × ln((Vg – Vth) / (Vg – Vpl))

【時間:t2 ~ t3】

Qgd = (Vg – Vpl) / Rg / (t3 – t2)

⇔t3 – t2 = Qgd × Rg / (Vg – Vpl)

 

ゲート抵抗とスイッチング特性

ゲート抵抗とスイッチング特性
MOSFETゲート端子に直列に接続される抵抗を、『ゲート抵抗』と呼びます。

ゲート抵抗の大きさによって、下記の違いが生じます。

スイッチング特性 ゲート抵抗が小さい ゲート抵抗が大きい
スイッチング速度 速い 遅い
スイッチング損失 小さい 大きい

 
ゲート抵抗を小さくしてスイッチングが早くなれば、損失が小さくなります。

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もっぷ

しかし、同時にサージ電圧が発生しやすくなり、MOSFET誤動作の可能性も高まるので、注意が必要です。

 

ゲート抵抗によってスイッチング速度が変化する理由

波形測定
ゲート抵抗によってスイッチング速度が変化する理由は、下記のとおりです。

【ゲート抵抗によってスイッチング速度が変化する理由】

ゲートに流れる電流Ig = ゲート電圧Vg ÷ ゲート抵抗Rg

⇒ゲート抵抗Rgが小さいとゲート電流Igが大きくなるため、ゲート電荷をより速く充電できる。

 

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『電流 = 単位時間当たりの電荷変化量』であることを頭に入れておきましょう。

 

ダイオードを用いたオン/オフ時間の個別制御

ダイオードを用いたオンオフ時間の個別制御
上図のように、ダイオードを用いれば、オン/オフ時間の個別制御が可能です。

ただし、ほとんどの場合はオフ時間を早くする回路が使用されます。

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もっぷ

その理由の1つとして、『セルフターンオン対策』が挙げられます。

 

セルフターンオンとは

セルフターンオン
MOSFETのドレインソース間に高いdV/dtが印加された場合、入力容量Ciss(= Cgd + Cgs)に電流が流れます。

その結果、以下の要因でゲート電圧が上昇してMOSFETが誤オン(セルフターンオン)します。

【ゲート電圧が上昇する要因】

①ゲート抵抗に電流が流れ、ゲート電圧が上昇

②Cgsに電流が流れて充電され、ゲート電圧が上昇

 
 
①に対して、ゲート抵抗が小さければゲート電圧の上昇も小さくなるため、ターンオフ時はゲート抵抗が小さくなるような回路がよく使用されるのです。

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もっぷ

ノイズ試験でよく引っかかります。

 

MOSFETのゲートドライブ回路まとめ

まとめ
いかがでしたでしょうか。

電子回路を設計する上で『MOSFETのゲートドライブ回路』は必須の知識です。

『MOSFETのゲートドライブ回路』をしっかりと理解しましょう。

この記事が、皆様のお役に立てば幸いです。

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