
電子回路で『TTL』という用語がよく出てくる。
どんな意味なんだろう?
こんな疑問を解消します。
『TTL』とは、抵抗とバイポーラトランジスタで構成されるデジタル回路の一種です。
1970年代に『テキサス・インスツルメンツ社』が汎用ロジックICとして開発し、現在は広く普及しています。
そこで今回は、TTLの「意味」や「レベル」について解説していきます!
・ デジタル回路の『TTLレベル』
・ ファンアウト
・ ファンアウト算出の具体例
・ まとめ
TTLとは
TTLとは、『抵抗とバイポーラトランジスタで構成されるデジタル回路の一種』であり、様々な機器の電子回路で使用されています。
『Transistor Transistor Logic』の略であり、以下の特徴があります。
【TTLの特徴】
・安定した5V電源が必要
・電源が『Vcc』と定義される
・ノイズに弱いため、ノイズ対策必須
・消費電力が大きい(発熱が大きい)
とりあえず以上の特徴を頭に入れておきましょう。

続いて、デジタル回路における『TTLレベル』について説明していきます。
デジタル回路の『TTLレベル』
『TTLレベル』とは、TTLが動作する信号レベルのことを意味します。
以下に、デジタル回路で『0』と『1』の2つの状態をどのように判断するか示します。
“0”と認識する電圧範囲 | “1”と認識する電圧範囲 | |
入力電圧 | 0.0V ~ 0.8V | 2.0V ~ 5.0V |
出力電圧 | 0.0V ~ 0.4V | 2.4V ~ 5.0V |
以上のように、TTL ICは『入出力の電圧レベルと論理が規格で決まっている』ため、TTL IC間で信号をやり取りする際は、電圧変換する必要はありません。

電圧によって、『0』or『1』を判断するのです。
ファンアウト
ファンアウトとは、『TTLの出力1端子に対して接続可能なTTLの入力端子数』を意味します。
HiとLoそれぞれの入出力電流をもとに算出することができます。
【ファンアウトの算出】
ファンアウト = Hiの出力電流 / Hiの入力電流
ファンアウト = Loの出力電流 / Loの入力電流

それぞれ計算して、小さい方の結果がファンアウトとなります。
ファンアウト算出の具体例
では、具体的に計算してみましょう。
【前提条件】
Hiの出力電流 = 24mA
Loの出力電流 = 24mA
Hiの入力電流 = 6mA
Loの入力電流 = 8mA
【ファンアウト算出結果】
ファンアウト(Hi) = 24mA / 6mA = 4
ファンアウト(Lo) = 24mA / 8mA = 3
⇒小さい方が優先されるため、ファンアウト = 3

以上のように、計算自体はすごく簡単です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
電子回路を扱う上でTTLは必須の知識です。
この記事が、皆様のお役に立てば幸いです。
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